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ガンワクチン療法は、大きく二つのタイプに分けられます。一つは体内にガン細胞が存在することを免疫に教えることで免疫力の活性化を図る「認知型」、もう一つは免疫細胞そのものを強化する「武装型」です。活性化リンパ球療法やサプリメントは「武装型」の免疫療法であり、ハスミワクチンは「認知型」のガンワクチン療法です。ガンに対する免疫システムは、ガン細胞が体内にあることを認知することから活動を開始します。ガン細胞には、正常細胞とは違う目印(抗原)があり、免疫は抗原を発見、認知することで攻撃態勢を整えることができます。
最初の出発点である「認知」がスムーズにいくかどうかが、免疫療法の鍵を握っています。言い換えれば、認知さえうまくいえば、免疫によりガン細胞がまだ小さいうちに排除してしまうことが可能です。実際に、体の中では、毎日、たくさんのガン細胞が生まれていますが、免疫力が素早く発見してその芽をつんでいるのです。そう考えていくと、ガンにかかってしまうのは、免疫の認知がうまくいっていない体であるとも言えます。
ガン認知の重要な働きをしている免疫リンパ球の一種に、樹状細胞というものがあります。アメリカ・スタンフォード大のイングルマン教授及びロックフェラー大のスタインマン教授により、樹状細胞の機能が相次いで明らかにされたのは90年代でした。樹状細胞は抗原情報を細胞内に取り込んだ後、その抗原を自己と非自己により分け、他のリンパ球との連係によって非自己に対する免疫誘導を行うという役割を担っています。イングルマン教授は、この発見をベースに樹状細胞のワクチンを作り、すでに一般治療では効果のなくなった悪性リンパ腫の患者5例に用いました。結果は、5例中3例の腫瘍が消出するという良好なものでした。
ガンワクチンにはいくつかの種類があります。基本的な考え方として、樹状細胞の成熟化(自己と非自己の識別)をどのような物質で誘導するか、また、樹状細胞にガン抗原(教育材料)としてとしてどのような情報を伝えるか?について世界中の研究者が智恵を絞っています。さらにガンワクチンとしての体への作用の方法にも、樹状細胞の成熟化物質をガン抗原と共に投与する能動型のワクチン、樹状細胞自体を取り出し試験管内でガン抗原を認知させた後、再び体内に戻す細胞療法としてのワクチンなどがあります。ハスミワクチンは、樹状細胞にガン細胞を認知させることで、免疫力を活性化させる方法をとっています。
ハスミワクチンは、アジュバントといわれる樹状細胞の抗原処理能力を高める物質と、ガン抗原を皮下注射で投与します。投与すると、樹状細胞はアジュバントにより、正常細胞とガン細胞を的確に見分ける力をつけます。そして、投与されたガン抗原を認知し、T細胞やB細胞にその存在と種類を知らせ、攻撃を誘導します。
ワクチンによる免疫療法だけではガンを克服することはできません。体の免疫の力には限界がありますから、肉眼で見える数センチに及ぶガンを、免疫の力だけで消し去ることは不可能に近いのです。そのため、ワクチンの最も良い使い方は、手術や制ガン剤、放射線といった一般治療を優先して、まずガンの縮小化を図り、その後の治療手段として活用することです。これにより一般治療で傷ついた体を癒すと同時に、自己の免疫力で取り残したガン細胞を排除することの方が、短期間で、しかも確実な結果が得られます。再発や転移、それにガン化を押さえ込むのに有効であると考えられ、しかもワクチン療法の良さは副作用が少ないことです。
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